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意外とよく釣れる毒魚
キタマクラという、縁起でもない名前をつけられた魚がいます。
フグの仲間で体内に猛毒のテトロドトキシンを持つだけじゃなく、皮膚にも毒がある魚です。
カワハギ狙いで磯際にイソメを垂らすと、ときに本命のカワハギよりも釣れるほどたくさん生息しています。
他にも、投げ釣りでは、ゴンズイやウミケムシ、フカセ釣りではアイゴ、ルアーではアカエイなどなど、釣りをしていると嫌でもかかってしまう毒魚や危険生物たち。
その取り扱いには注意が必要です。
ここでは、神奈川県でもごく普通に釣れる、触ると危険な毒魚や生き物を紹介したいと思います。
毒魚や危険な生き物が釣れた時の対処法
万一毒魚が釣れてしまった時の対処法は?
- 軍手やグローブを着用する
- フィッシュグリップで魚を掴む
- 針はプライヤーで外す
- 針が飲みこまれていたら、無理せずラインを切る
- 持ち帰る際はハサミで危険部位を切除する
- 魚が死んでも毒は残るので、毒魚を釣り場に放置しない(子供が知らずに拾ってしまう)
神奈川で釣れる触ると危険な毒魚たち
キタマクラ
フカセ釣りや胴突き釣りなどでよく釣れる魚。体長は10cmほどと小さいものが多いです。
危険部位
皮膚に神経毒あり(肝臓と腸にも毒あり)
毒性
猛毒とされる神経毒のテトロドトキシン。
テトロドトキシンの中毒の症状は、口・舌の痺れ、運動麻痺、嘔吐、症状が重篤化した場合は、呼吸困難、最悪死に至ることもあります。
少量であれば、重篤化することはありませんが、キタマクラを触ってしまったら、海水で手を洗い流しましょう。
カワハギとの見分け方
カワハギ釣りの外道でよく釣れるキタマクラ。
カワハギと間違えて持ち帰ってしまう方もいるそうです。
カワハギとキタマクラの特徴を知って持ち帰らないようにしましょう。
カワハギとキタマクラの見分け方
カワハギの特徴
・ツノがある
・皮膚がザラザラしている
・体が硬い
一方キタマクラは、
・ツノがない
・皮膚がヌルヌルしている
・体はぷよぷよで柔らかい
・見た目がツヤツヤ

皮膚にツヤがなくザラザラしているカワハギ
ゴンズイ

出典:PhotoAC
堤防や磯からのちょい投げでよく釣れる夜行性の魚。ナマズに似ていて、茶色い体に薄黄色の縞模様があります。
体長は10~20cm前後。
危険部位
背ビレと胸ビレに毒あり
毒性・症状
タンパク毒のため熱に弱く、60℃以上の高温で毒成分は分解される。
刺されると腫れや激痛、重篤化した場合吐き気などの症状が現れます。
刺された時の対処法
・刺さった棘を抜く
・傷口から毒を吸い出して消毒する
・火傷しない程度のお湯で患部を温める
症状が重く、痛みが治らない場合は、医師へ相談しましょう。
ハオコゼ
堤防の際でイソメなどに食いつく10cmにも満たない小さい魚。
危険部位
トサカのような背びれに毒あり
毒性・症状
タンパク毒のため熱に弱く、60℃以上の高温で毒成分は分解される。
刺されると腫れや激痛、重篤化した場合吐き気などの症状が現れます。
刺された時の対処法
・刺さった棘を抜く
・傷口から毒を吸い出して消毒する
・火傷しない程度のお湯で患部を温める
症状が重く、痛みが治らない場合は、医師へ相談しましょう。
アイゴ

出典:PhotoAC
堤防や磯からのフカセ釣りでよく釣れる魚。
危険部位
背びれと尻びれに毒あり
毒性・症状
タンパク毒のため熱に弱く、60℃以上の高温で毒成分は分解される。
刺されると腫れや激痛、重篤化した場合吐き気などの症状が現れます。
刺された時の対処法
・刺さった棘を抜く
・傷口から毒を吸い出して消毒する
・火傷しない程度のお湯で患部を温める
症状が重く痛みが治らない場合は、医師へ相談しましょう。
ミノカサゴ

出典:PhotoAC
ボート釣りや船釣りで稀に釣れる魚。
危険部位
見た目は綺麗だが、ヒレに毒あり
毒性・症状
タンパク毒のため熱に弱く、60℃以上の高温で毒成分は分解される。
刺されると腫れや激痛、重篤化した場合吐き気などの症状が現れます。
刺された時の対処法
・刺さった棘を抜く
・傷口から毒を吸い出して消毒する
・火傷しない程度のお湯で患部を温める
症状が重く痛みが治らない場合は、医師へ相談しましょう。
オニカサゴ
ボート釣りや船釣り水深のある堤防や磯で釣れる魚。おいしい魚で食用としても人気があります。
危険部位
背びれや尾びれに毒あり
毒性・症状
タンパク毒のため熱に弱く、60℃以上の高温で毒成分は分解される。
刺されると腫れや激痛、重篤化した場合吐き気などの症状が現れます。
刺された時の対処法
・刺さった棘を抜く
・傷口から毒を吸い出して消毒する
・火傷しない程度のお湯で患部を温める
症状が重く痛みが治らない場合は、医師へ相談しましょう。
アカエイ

出典:PhotoAC
小魚の泳がせ釣りやルアーで釣れるエイ。ものすごい引きで楽しめるが、尾びれに危険な棘を持つ。
危険部位
尾びれにある棘に毒あり
毒性・症状
タンパク毒のため熱に弱く、60℃以上の高温で毒成分は分解される。
刺されると腫れや激痛、重篤化した場合吐き気などの症状が現れます。
刺された時の対処法
・刺さった棘を抜く
・傷口から毒を吸い出して消毒する
・火傷しない程度のお湯で患部を温める
症状が重く痛みが治らない場合は、医師へ相談しましょう。
ウミケムシ

出典:としとしWeb水族館(https://toshitoshi.jp/)
投げ釣りで釣れるゴカイの仲間。
体毛は折れやすく、刺さると患部に毛が残ります。
危険部位
細いとげのような体毛に毒あり
毒性・症状
腫れと痛み、かゆみが現れる。
刺された時の対処法
・こすらない
・毛を抜くときはガムテープなどを使って剥がす
・軟膏を塗る
ヒョウモンダコ

出典:としとしWeb水族館(https://toshitoshi.jp/)
危険度マックスの殺人ダコ。
神奈川でも時折目撃情報が流れ、注意喚起されるほど危険視されているタコ。
体調は10cmほどと小さく、身の危険を感じると体が青いヒョウ柄模様になる。
危険部位
歯、口。
攻撃性が強く、唾液を吐いたり、噛み付いて毒を注入。
毒性・症状
フグと同じ神経毒、テトロドトキシン。
運動麻痺、痙攣、嘔吐、症状が重篤化した場合は、呼吸困難、最悪死に至ることもあります。
噛まれた時の対処法
・すぐに病院へ(重篤の場合は90分で死に至る)
・患部より心臓に近いほうを縛る
・噛まれた傷口から毒を吸い出して消毒。
口で吸い取ってはならない!
ポイズンリムーバーなどを使用しましょう。
過去のヒョウモンダコ目撃ニュース
2018年10月14日猛毒ダコに注意を 横浜港や江の島で相次ぎ発見(カナコロ)
2013年8月3日 猛毒ダコ注意 神奈川沿岸で捕獲、かまれると死亡も 温暖化で北上か(日本経済新聞)